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2014-08-28

人前で話すのが苦手な人のための「3分間スピーチ、結構マジメな練習法」

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「人前でひとりで話すなんて、したことないのに……」
結婚式でスピーチを頼まれたり、会社の朝礼の当番や学校の課題などで短い話をすることになったら、どうしたらいいのでしょう?

「ミニバラが元気をくれた。」という記事は、「かさこ塾」の最後の課題で私が発表した「3分間プレゼンテーション」の原稿を元に、ブログ用に少しだけ書き直したものです。
「私、植物が大好きなんです」ということを、3分間で人の心に残るように話したかったんですが、普段人前でしゃべりなれていない自分には、なかなか大変でした!

私がとった方法は、まず3分間=1200字の原稿を作ってしまうというものでした(アナウンサーが1分間に話す言葉は、約400字)。
そしてそれを、実際に話すスピードで何度も声に出して読んで、丸暗記。練習場所は、ひとりで大声を出しても恥ずかしくないカラオケボックスで!

以下、人前でひとりで話したり発表したりするのが苦手な私の体験談です。
同じような大人の方や、もしかしたら学生さんの宿題にも役に立つ?……かもしれません。


先日かさこ塾の課題で、「自分が好きなこと」について3分間のプレゼン(プレゼンテーション=提示・説明・表現)を行いました。
ほかの参加者は「PowerPoint」などを使って、写真や図示を背後のスクリーンに投影しながら、カッコよくプレゼンするだろうことが予想できました。でも私は普段使わないため、PowerPointには慣れていません。

それに比べてライターという仕事柄、決められた文字数で作文することは得意な方です。
しかも作文なら事前に、時間をかけて何度も直し、準備をすることができます。

「よしっ!」
1,200字の文章を丸暗記して、みんなの前で話すことにしました。
丸暗記が無理でも、そこまで準備しておけば、大まかに3分間、話をすることはできると考えたのです。

★Point 1……話す時間に合わせた原稿を、まずはまるっと作ってしまいます。覚えきれなくても、それを読み上げればなんとかなります。


テーマは、植物が好きになるきっかけとなった「ミニバラ」に決めました。
そして話したいことを頭の中で整理しながら、最初の原稿をまとめました。

  1. お勧め……ミニバラは、ペット感覚で癒しを与えてくれる植物
  2. 自分がどのようにしてミニバラを育てはじめたか(体験談)
  3. ミニバラの魅力
  4. ミニバラの長所と短所、短所のフォロー
  5. 最後に、初めて買うミニバラの選び方

できるだけ簡潔に、こんな内容をつづってみたら……3,000字になりました。
1,200字の予定が3,000字。単純に計算しても7分半! これでは話になりません。

内容を大幅に削ぎ落としながら2-3回推敲し、これをなんとか1,200字に縮めました。
しかし、しっくりきません。我ながらあまりおもしろくないし、説得力もありません。「ふーん」と無反応で聞いている人たちが目に見えるようです。文章をあまりにも短く削りすぎたために、箇条書きの羅列になってしまっていたのです。
これは、最初から3分間のスピーチには長すぎる、無理な内容を選んでいるということです。

あきらめた私は、原稿を一旦おいて、外出して別の用事をすることにしました。

不思議なもので、しばらく考えごとから離れて休憩すると、頭が切り替わって、ふっと別の解決法が浮かんだりします。

ひとつ用事を終えたころ、私の頭にはある考えが浮かんでいました。
「あの原稿は捨てよう。1,200字がどのくらいの長さかはなんとなくわかったから、もっと話題をしぼって、それを丁寧に書いてみよう」

★Point 2……早めに準備を始めて、まとまらなかったら一旦寝かします。時間があるなら一晩眠って起きると、新しいアイデアが浮かびます。


そうして私は改めて、「自分がどのようにしてミニバラを育てはじめたか(体験談)」のみにしぼることにしました。
なぜなら、ほかの話題はほかのミニバラ好きの人でも話すことができますが、これは自分しか話せない内容だと思ったからです。

★Point 3……体験に基づいた実感のある話のほうが、話し方が下手でもたぶん、何かが聞く人の心に響きます。


なんとか1,200字の原稿を作り上げて、次は「練習」です。
かさこ塾の先輩から「3分間プレゼンの練習場所にはカラオケボックスがいいよ!」と聞いていたので、時間を作ってカラオケボックスに行きました。「ひとカラ(ひとりカラオケ)」が普及しているので、ひとりでカラオケを予約しても入っても、店に変な顔をされたりすることはありません。

自分で曲を入れないと、延々CMが流れているのですが、私はそれを流したまま、人に語りかける早さで自分の原稿を読み上げました。雑音にまぎらせるほうがなんとなく恥ずかしくないし、音に負けずに声を出すことで大きな声が出せます。
スマホのストップウォッチ機能を使って、原稿をひと通り音読しては、そのタイムを確かめました。

ところが問題発生! 1,200字でも3分間に収まらないのです。

早口で話すこともできなくはありませんが、途中でつっかえたり、テンパって失敗する可能性があります。それに、早口でたたみかけていくしゃべり方には、滑舌の良さや短時間に情報や感情を盛り込むといった、かなり熟練した「話芸」が必要になります。自分の低いスキルでは、落ち着いた口調のほうが、話の内容が聴く人に伝わると思えたのです。
それで、話し方をスピードアップするよりも、原稿を削ることにしました。

書き言葉と話し言葉は違うものです。3回ぐらい声に出して読むうちに、「あ、これは余計だな。なくても話が通じるし、スッキリするな」と、自分の文章の無駄なところがわかってきます。

原稿を短めにしておくと、逆に時間に余裕ができるので、「それでですね」とか、「こちらがそうです」といった言葉を軽くはさんで、調子を整えることもできるとわかってきました。

結局、用意した原稿を、全部で6回ぐらい声に出して読みました。
後半の3回は、できるだけ原稿を見ないで話せるようにがんばりました。

1時間の予約で少し時間が余ったので、数曲ひとカラして帰ってきました♪

最終的に用意した原稿は、1,000字ほどになりました。
(それが、「ミニバラが元気をくれた。」の文章です。)

★Point 4……カラオケボックスで、実際に話す早さで、何度か練習してみましょう。自分が書いた文章ですから、繰り返し声に出して読めば、必ず頭に入ります。


話す内容に合わせて、見せられる「モノ」などがひとつあると、「これは何かが違うぞ」と、パッと目を引きつけることができて、それだけでしゃべるのが少し楽になります。
たとえば、趣味の話をするなら、そのモノ自体を見せるとか。
あるいは、好きな本の話をするのなら、その本自体を最初に見せるとか。

私の場合、ミニバラの話をするので、自分が育てているかわいいバラの写真を見せるに越したことはありません。
後ろのスクリーンに、自分が用意したうちのミニバラのコラージュ画像を映し出して、その前で話をすることにしました。(「ミニバラが元気をくれた。」のトップの画像がそれです。)

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あとひとつ、話の流れをわかりやすくするために、手書きのフリップボードを作っていくことにしました。
以下の5枚+タイトルと締めで合計7枚。紙は、八つ切の画用紙に書きました。A3よりひとまわり小さく、B4より少し大きいぐらいのサイズです。
紙芝居のように自分の前に立てて、話の進行に合わせて、1枚1枚めくっていくことにしました。

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実はこれ、裏にカンニングペーパー、もとい原稿を貼っておけば、正々堂々と原稿を読み上げることができるという発想の、苦肉の策でもありました。
フリップボードを作らないのであれば、この5か条を手のひらに書いて、それを見ながら発表しようかと考えていました。
どんだけ立ち往生する気満々なのか。

★Point 5……何かひとつ、つかみになる「モノ」を用意すると、注目を集めるきっかけができて、気持ちが楽になります。あと、カンニングペーパーは必ず用意しておきましょう。


8月31日の夏休みの宿題よろしく、前夜にポスカでげしげしと3時間で描きあげたフリップボードは、ほとんど紙芝居状態だったこともあって、場の皆さんには、結構おもしろがっていただけたようです。途中でしゃべりが失速するか暴走するかとびくびくしていた自分にとっては、大成功といってもいい、あたたかい反応をいただきました。
こんなに人様にほめていただいたのは、人生で小学生の頃以来じゃなかろうか?……と、ちょっと感動してしまったぐらいです。

この課題では、発表後にみなさんから評価のアンケートをいただきました。良かった点は、

  • 話し方が聞きやすいトーン、スピードだった。
  • 紙芝居の「絵」が印象に残った。わかりやすく、また感情が伝わった。親しみがわいた。
  • 等身大のメッセージが伝わった。話がよくまとまっていた。

ということで、フリップボードと絵が、意外性もあってか好評だったことがわかります。

一方、反省点としては、

  • 部屋の後ろの方から見ていると、フリップボードの文字が一部小さくて見えづらかった。なくてもよいと思った。
  • どんなバラが好きなのかなど、バラに対する思いをもっと強調してもよかった。
  • まったくの素人がどのようにバラを育てていけばいいのか、もっと知りたい。
  • 今後の話なども聞いてみたい。

などが挙げられていました。もっと感情ゆたかに表現しつつ、少しスピードアップして情報を入れられれば、完成度はもっと上がるのでしょう。

人前で話すことに慣れた人も多そうな皆さんの中で発表をするのは、本当に冷や汗をかく体験でしたが、これだけ準備したことで、なんとかクリアすることができました。
あとで、その場の流れを見て話題を変えられるよう、複数の話題を準備してきた人もいたときいて脱帽しました……。そんな器用な真似、私にはとてもとても。

しかし、人前で話すのが苦手だ苦手だと思いつつも、心の中に「下手でもいいから、なんでもいいから何かでウケたい」という欲がハッキリあるのがわかって、自分でもおもしろかったです。
一度原稿を没にした段階で、「どこか笑えるところを作らねば」と、かなり真剣に考えている自分がいました。それで「枯らしてしまった」失敗談から入ったのですが、これはかなり印象がよかったようです。

とにかく、苦手だと不安に思うなら、やれる準備は全部やろうと思ったのでした。なぜなら、それが不器用な自分のいつもの仕事のやり方だからです。

きっと、もう少し人前で話すことに慣れることができたなら、「そういえば、あのときはあんなに必死に準備したなあ……」と思えるのかもしれません。

★Point 6……備えあれば、憂いなし。

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ちなみに、余談ですが。
そもそも、このフリップボードを思いついたのは、水性サインペン「ポスカ」に関する下記の記事を読んだことがきっかけだったりします。
書き味がよく、発色も鮮やか。どこの文房具屋さんでも手に入ります。私は画用紙に書きましたが、写真など光沢のあるものにもしっかり色が乗ってはじかれません。
何に書くかで、工夫次第ではいろんな効果が出せそうです。場によっては、手書きの文字はインパクトを発揮します。話のネタに困ったら、活用してみるのも一案かもしれません。

ポスカ:欧州で三菱鉛筆のサインペン人気 色、ペン先豊富 – 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/news/20140803k0000e020132000c.html

三菱鉛筆 サインペン ポスカ 極太字 PC17K8C 8色セット
三菱鉛筆 サインペン ユニ ポスカ 太字 PC8K15C 15色セット
三菱鉛筆 サインペン ユニ ポスカ 中字 PC5M15C 15色セット
三菱鉛筆 ユニ ポスカ 細字 PC3M8C 8色セット
三菱鉛筆 サインペン ユニ ポスカ 極細 0.7mm PC-1M.12C

(※以上はAmazonへのリンクです。)


大切で大好きなうちのミニバラの話は、これからブログでも、もっと丁寧にぼちぼちと、語っていこうと思っています。

 

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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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