普通のおうちに「パリスタイル」のブーケが来たら、こうなった!(KOLME・フラワーレッスン)
6月19日(6月の第3日曜日)は、父の日ですね。父の日のプレゼントは、もう決まりましたか?
私は今年、老父にパリスタイルのフラワーアレンジメントを贈ろうかと思っています。
なんかチグハグに思えるかもしれませんが、男性に花を贈るのも、素敵かもしれませんよ。
というのも、母の日にパリスタイルのブーケが我が家に来たら、父がとても喜んでくれたからなのです。
パリスタイルってなんだ?
フラワーアレンジメントも、洋の東西を含めいろいろあるようですが、その中のひとつに「パリスタイル」があります。
初めて聞いたときには「パリスタイルってなんだ?」と思いました。なかなか、一言で説明したものが見つからないのですが、今のところ、こんな理解をしています。
- パリで活動するトップフローリスト(フラワーデザイナー)のフラワーアレンジメントスタイル
- バラや緑がわさわさ・もりもり・ぎゅぎゅっとしていて、色合わせがオシャレで、洗練された美がある
- 日本でパリスタイルのフラワーアレンジメントを教えている先生方の多くは、本場のパリでフランス人の先生から直接学んでいるらしい
- コンポジションとかシャンペトルとか、用語が若干わかりにくい
知っている人は知っている。知らない人は知らない。それがパリスタイルのフラワーアレンジメント、という印象です。(フラワーアレンジメント、という言い方もあまりしないみたいですね……)
パリスタイル・ブーケとの出会い
私はもっぱら土から生えた花が専門で、切り花、生け花、フラワーアレンジメントにあまり興味がなかったのですが、フラワーアレンジメントの素敵な先生と知り合って、好奇心から入門者用の体験レッスンを受けたことで、ちょっと「パリスタイルのブーケ、いいな」という気持ちが芽生えていました。
なんといっても美しさが圧倒的なのです。10人見れば10人が「きれい」と感じる美って結構すごい。もうそれ、女性でいうなら「女優」のレベルですよね。「ありのままに」とかぬるいことはいわない。花の素材の良さ+「こう取り合わせる」「こう見せる」「どうだー!」という人間の意志のかたまりが、全力でくる感じです。
私のベランダ園芸は、のほほんお気楽ガーデニングで、「肥料は思い出したときにあげるね。咲きたいときに咲けばいいよ」なのですが、それとはまったく別に、美を紡ぎ出す人には憧れと尊敬を感じます。そこには審美眼があり、イメージをかたちにする技術があり、ものつくりとして歩む姿勢があります。
そんなこんなで、入門者用レッスンを2回ほど受けて、「これぐらいできたら、もっと大きいのも作れますよ」と先生にいわれた私は、思い切って母の日のプレゼントとして、ちゃんとした大きなブーケを作ってみようかなと思ったのです(ほめて伸ばす先生、上手いです!)。
田園スタイルのシャンペトルブーケに挑戦
シャンペトルブーケとは、「田園のブーケ」というような意味で、グリーンをかなり多めに使い、もさもさした野趣あふれるイメージに構成したパリスタイルのブーケを指すようです。
「田園のブーケ」といいつつ、非常に洗練されているところが、都会の女性の心を惹きつけるところです。
使ったの花やグリーンは、4種。
- バラ シセロ(白にピンクの覆輪のバラ)
- スカビオサ ブラック(暗赤色の花)
- ビバーナム(アジサイのような白い花)
- キイチゴ(グリーン)
パリスタイルのブーケの極意のひとつが、この花材のチョイスです。
こんな花、近所のお花屋さんでなかなか見ないと思いませんか? これは、先生が自分で希望の花を選び、仕入れてくるものなのだそうです。もちろん、組み合わせや仕上がりを計算して。
こんな素敵な花材を組み合わせて作るのですから、多少ぶきっちょがあわあわしながら作っても、失敗するわけがありません。
しかも仕上げは、先生が見て、手直しをしてくださいます。
花も見事ですが、ブーケの大きさも私の予想を上回っていました。でかい。そして重い。ずっしり。
巨大な花束の重みに、握る左手がプルプルしましたが、とても初めて挑戦したとは思えない、立派なブーケができました!
「すごい、すごーい。まるでホテルのお花みたいですね!」
……としか先生に伝えられなかったのは、言葉を仕事とするライターとしては痛恨の極みでした。子どもの感想文ですか。
母そして父にも大好評。笑顔が増えた!
「はい、これ母の日のプレゼントだよ」と渡した74歳の母は、思った以上に喜んでくれました。日頃特に華やかなものを好むわけではなく、また、好みがはっきりしていてプレゼントで喜ばせるのがなかなか難しい人なのですが、「素敵ねえ、いいわねえ」と手放しで喜んでくれました。
そして、さらに予想外だったのが78歳の父です。
ガーデニング好きな母や私に対し、父はさほど花や緑に興味がなく、桜の花の時期に遠回りして「桜を見にいこう」といっても「面倒じゃ、もうええが」という父が、見事なブーケを見てご機嫌に。
「これはすごいのう。結婚記念日か?」
そんな、お父さん。うちでお父さんとお母さんの結婚記念日なんて祝う習慣なんてなかったのに!
おそらく、私の「ホテルの花」という表現と同じくらい、「格別に見栄えがして、非日常の気分が味わえる」と言いたかったのだと思います。
おしゃれな花を生かすには、おしゃれな空間が必要です。テレビの横の、うちのリビングで一番いい空間が花のためにあけられ、ドラセナとベンジャミンがベランダへ出されることに。まあ、もう十分気温が上がっているので、観葉植物たちは日光も十分浴びられて、「ラッキー♪」だったかもしれません。
毎日水を替えて、ゆっくりと花や緑が命を終えていくまでの一週間、我が家では「本当にきれいよねー」「きれいな花があるとええねえ」「喜んでもらえて満足だよ」という家族の会話が、何度もくりかえされました。
今度は父の日に
心臓病をわずらっている父は、身体のおとろえもあり、日々少しずつできることの範囲がゆっくりとせばまってきて、今は電車に乗って遠出することもなくなりました。
花を見るために遠回りすることは、おっくうなのかもしれない。それでも美しくて自然を感じさせてくれて、ちょっと非日常なスペシャル感を味わえるものに興味がないわけじゃない。
美しいもの、キラキラしたものは、女子の専売特許でしょうか? そんなことはないと思います。
もの忘れが少しずつ進んで、時々ちょっとぼんやりしている父が、きれいなものを見てニッコニコする顔が見たくて、今度は父の日にパリスタイルの花を贈ってみるつもりです。
あなたも、大切な男性に、素敵なブーケを贈ってみませんか? 日常の中に、特別な時間と空間が生まれるのを、体験できると思いますよ。
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Spot Data
KOLME
公式サイト http://kolme-tokyo.com
場所 東京都世田谷区羽根木
アクセス 京王井の頭線「東松原」駅から徒歩4分、京王線代田橋駅から徒歩10分
備考 パリ好き姉妹がオーナーの小さなセレクトショップ。サイトやブログの商品・花の写真は、すべてフォトグラファーの妹・Michikoさんが撮影したものです。パリスタイルを学んだ姉のKazukoさんが講師のフラワーレッスンは、随時開催中。Kazukoさんが仕入れるレアで美しい花材を使って、初心者でも大人っぽい素敵なブーケを作れます。
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