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2017-03-26

地元の図書館は「自分史」の強〜い味方!(練馬区立石神井図書館・自分史入門講座)

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もし、「自分史、ちょっと興味あるけれど、自分の近くでは教えてもらえるようなところがなくて、始めるきっかけがないな……」と思っている方がいたら、図書館に行ってみませんか?

自分史を書く・作るというと、どこかへ習いにいく、お金を出して作ってもらうという印象があります。実際、私もきっかけのひとつとして入門講座を開催しています。

しかし本来、文章は、紙とペンがあれば始められる格安の趣味です。

いろんな取り組み方があっていいと思うのですが、全国どこにお住いの方でも利用できる強力な味方があることに気づきました。それは、公立の図書館です。

東京都練馬区立石神井図書館 2017.1.6

地元の公立図書館主催の「自分史入門講座」講師を務めました

昨日2017年3月25日(土)、東京都練馬区の石神井図書館主催の「自分らしく生きるために! 書いてみよう、自分史入門」講座で、講師を務めました。地元の練馬区に在住・在勤の方を対象とした、図書館の館内で開かれる講座です。

公立の図書館では現在、地元に開かれた公共の施設として、利用者に学びや体験を提供し、コニュニティの場となるような試みをいろいろ実施されているとのこと。今回声をかけていただき、「一枚の自分史」ワークを含んだ2時間の講座を行ってきました。ご参加くださったのは地元練馬区にお住まいの、40代〜90代の男性女性15名です。

今回、図書館主催ということで、参加費は無料。地元のご興味のある方にはお得な講座だったと思います。

この講座には、図書館主催ならではのスペシャルな特典がついていました。

ベテランの司書が集めた、渾身の自分史関連図書がワゴンと棚に集められ、参加者には書籍のリストが配られたのです。

並んだ本を見て、ちょっとうなりました。自分史を学び始めてから、自分でもいろいろ資料を読んだり集めたりしていますが、これはすごいです。

石神井図書館のベテラン司書の方が選び出した、珠玉の自分史資料本コレクション! 2017.3.25

図書館で読める! 自分史関連書籍・資料

集められた資料は、主に4つに分類されていました。

1.自分史の書き方

いわゆる「自分史の書き方」の指南本。自分史の名付け親である色川大吉氏の『〝元祖〟が語る自分史のすべて』、立花隆氏の『自分史の書き方』など。

2.時代を調べるための資料

昭和◯年代、戦後日本史、平成史など、時代を調べるための資料本。このあたりの資料性の高さは、実に図書館の本領発揮です。

3.印刷・製本のためのハウツー本

執筆ではなく、〝本〟の作り方を指南した本。特に私家本、手作り本の作り方の本がいろいろあるのが発見でした。

4.さまざまな自分史本

主に著名人が書いて出版された、「自分史」といっていい内容の読み物。色川大吉氏の『カチューシャの青春』、山藤章二氏の『自分史ときどき昭和史』など。

また図書館にはこのほかにも、各新聞のマイクロフィルム・縮刷版や年鑑などが多数所蔵されています。持ち出し禁止のものも含めると、その資料性はとほうもないものです。圧倒されました。

また、地元史・郷土史の資料は、地元の図書館の多くに充実したコーナーがあるのではないでしょうか。

私も講座に、ささやかながら自分史本の見本を持参し、展示しました 2017.3.25

図書館の「レファレンスコーナー」を活用しよう

司書の方は、「図書館のレファレンスをどうぞ活用してください」とおっしゃっていました。

図書館には調べ物のサポートをしてくれるレファレンス(リファレンスとも)コーナーというものがあります。利用されたことはあるでしょうか? エンターテイメントの小説・読み物を借りることの多かった私は、残念ながらあまりありません。

しかし今回、図書館からの案内を聞いていて「なるほど!」と思いました。

何かを調べたいけれど、そのためにどんな資料があるのか、どんな本を読めばいいのか、そしてそれらはどうすれば読めるのかを知らない場合が、あると思います。

そういう時に利用するのが「リファレンスコーナー」です。情報のプロである司書が、調べ方や資料・書籍についてアドバイスしてくれるのです。

素敵なチラシ・ポスターも製作していただきました 2017.3.25

他の図書館や国立国会図書館からの取り寄せも可能

ひとつの図書館に収蔵されている書籍の数には、限りがあります。

ですが、図書館には他館から取り寄せをしてもらうシステムがあります。

時間がかかるのが弱点であり、また、本によっては館内での閲覧のみのものもあるそうです。ですが、いながらにして国立国会図書館所蔵の本も取り寄せることができるというメリットは、全国共通。これって、すごくないですか?

時間をかけてきちんと書きたい自分史とは、非常に相性がいいのではないかと感じました。

入り口の掲示板にも今日の講座のお知らせあり 2017.3.25

密度の濃い、信頼できる資料は、図書館で!

いまやWebでなんでも調べられるかのように見える時代になりましたが、Webの資料は玉石混交、まちがいや偏りのある情報があふれています。「信頼できる情報」をとるには、情報の目利きが必要です。

また、さまざまな植物の情報を図鑑で見ていると、Webで探せる・見られる情報には、限界が多いなと感じるようにもなりました。アナログの本にくらべたら、Webの情報量はとても追いつかないのです。

密度の濃い、信頼できる資料は、図書館にあります。無料です。

そして、多くの図書館には、本を読むための閲覧デスク、そして図書館によっては電源もとれるパソコンワーク用のデスクも用意されています。

図書館に通いながら自分史を書く、といったスローでアナログな方法は、全国どこででも、どなたでも取り組めるやり方ではないでしょうか。

図書館を中心に地域の「自分史クラブ」があるとか、図書館にひとり、自分史活用アドバイザーがいる、なんていうのも素敵だなと思います。私が知らないだけで、すでにあるのかもしれません。

今後も、図書館で「自分史講座」という試みが広がってくれたら、非常におもしろいなと感じています。

子どもの頃に、特にお世話になった図書館。現在ももっと利用したいと思いました 2017.3.25

図書館関係者の皆さん、もしも自分史の講座を開催したいと思ったら、ぜひ地元の自分史活用アドバイザーにご相談くださいね。

【参考】
自分史活用アドバイザー紹介 | 一般社団法人自分史活用推進協議会

 

【こちらもあわせてご覧ください】

 


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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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