キンモクセイの花は4つに深く裂けている。花の秘密
わっと咲いてパッと消えてしまうキンモクセイの花。一体どんなふうに咲いて終わるのか、近所のキンモクセイの木を毎日観察してみたら、いろんなことがわかりました。
![キンモクセイの花 2016.09.29 東京都練馬区](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160929kinmokusei_c.jpg?resize=630%2C420)
キンモクセイの花 2016.09.29 東京都練馬区
花の命は約1週間
大体いつも、気がついたら花が咲いているので、キンモクセイのつぼみというものをほとんど見たことがありません。
今年は、「昨日の晩はまだつぼみだった」という最初の開花日を見つけることができたので、そこを起点に、毎日同じ枝を撮影してみました。
![160927kinmokusei03](https://i0.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/09/160927kinmokusei03.jpg?resize=630%2C420)
2016.09.27 1日め。つぼみから花が開き始める
![2016.9.28](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160928kinmokusei_a.jpg?resize=630%2C420)
2016.9.28 2日め。軸が伸びて花がどんどん展開していく
![2016.09.29](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160929kinmokusei_c.jpg?resize=630%2C420)
2016.09.29 3日め。ほぼ満開になる
![2016.09.30](https://i0.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160930kinmokusei_d.jpg?resize=630%2C420)
2016.09.30 4日目。咲き続けるキンモクセイ
![2016.10.01](https://i2.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161001kinmokusei_f.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.01 5日め。黄色くふくらんでいたおしべが縮んでいく
![2016.10.03](https://i0.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161003kinmokusei_g.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.03 7日め。おしべは黒く縮み、花は軸ごと落ちていく
![2016.10.07](https://i2.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161007kinmokusei_l.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.07 11日め。この間に強い風雨もあって、花は大方が落ちていた
【2016.10.20追記】
終わったと思っていたら、2度めの開花がありました。
![2016.10.20 24日め。観察していた同じ枝に2度目の開花](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161020kinmokusei01.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.20 24日め。観察していた同じ枝に2度目の開花
おしべ2コが大きく、めしべは発達しない
めしべは小さなものが、おしべの間にあります。おしべが大きいうちはよく見えませんでしたが、おしべがしぼんでくると見えるようになりました。
![2016.09.28](https://i2.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160928kinmokusei_b.jpg?resize=630%2C420)
2016.09.28 咲き始めた花のおしべは黄色くて大きい
![160930kinmokusei_e](https://i2.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/160930kinmokusei_e.jpg?resize=630%2C420)
2016.09.30 開いた花のおしべは早い段階からちぢんでいく
花は「4つに深く裂けている」
図鑑には「花冠は4深裂する」とありました。なぜ、「花びらが4枚」とはいわないのか?
ふしぎに思って見ていたらわかりました。たしかに、4枚の花びらに見えるものは全部つながっています。桜やバラのように、花びらが分かれてひらひらと散ることはありません。
![2016.10.03](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161003kinmokusei_j.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.03 十字形のかたちを保ったまま、花は地面に軸ごと落ちる
![2016.10.03](https://i1.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161003kinmokusei_i.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.03
花は軸ごと落ちて、あとには何も残らない
花びらがつながっているキンモクセイは、散り方も独特です。花は十文字の黄色いかたちのまんま、地上に落ちます。花を支える軸も一緒に落ちます。すると木には、花が咲いていたあとかたすら残りません。
![2016.10.07](https://i0.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161007kinmokusei_m.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.07 乾いた花は縮んで色が悪くなって見えにくくなり、風に舞ってどこかへいってしまう
![2016.10.07](https://i0.wp.com/miya-mayu.com/pt/wp-content/uploads/2016/10/161007kinmokusei_n.jpg?resize=630%2C420)
2016.10.07 花が落ちた枝には、何のなごりもない
つぼみもほとんど見せず、花が咲いたあとに実が実ることもない。ふわっと誰もがふりかえる強い香りをまきちらして、幻のように消えてしまう。
謎多き花ですが、よーく見ているといろんなことがわかった気がします。
また来年会えるのを楽しみにしましょう。
【2016.10.20追記】
今年2度めの開花がありました。くわしくは→「2016年のキンモクセイ、2度咲きました! 花の秘密」
Plants Data
キンモクセイ
和名 キンモクセイ(金木犀)
学名 Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino
英名 fragrant orange-colored olive
分類 シソ目モクセイ科オリーブ連モクセイ属
原産地 中国
備考 常緑低木、樹高2〜4m、胸高直径20〜30cmになる。雌雄異株で、日本では雄株のみ。花は9〜10月に開花し、香りが強い。日本には江戸時代に渡来した。花を白ワインにつけたものが「桂花陳酒」、花を茶に混ぜたものが「桂花茶」。静岡県三島市の三嶋大社境内に生育するウスギモクセイ(薄黄木犀)の巨木が、「三島神社のキンモクセイ」の名称で国の天然記念物に指定されている。
【参考】(外部サイトへ)
金木犀 花だより - 三嶋大社
【こちらもあわせてご覧ください】
・2016年のキンモクセイ、2度咲きました! 花の秘密
・キンモクセイの花は、ときに2度咲く。花の秘密
・なんと、キンモクセイの木はすべて男だった!? 花の秘密
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