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2016-08-27

読書感想文なんて大キライ!:ノスタルジック・メランコリア その2

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自分の苦手意識をネタに、専門家に話を聞いちゃう対談シリーズ「夏休みの宿題」第2回。現役の小学校の先生でもある知人に、「なんで夏休みの宿題なんてあるのかしら?」とざっくばらんに話を聞きました。さてさて、あなたはどんな子どもでしたか?

【前の記事】
夏休みの宿題が片付かない!:ノスタルジック・メランコリア その1

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みんな苦労する!? 読書感想文は「鬼門」

宮野 夏休みの宿題といえば、読書感想文。私は本を読むのは好きだったけど、読書感想文はキライでした。「本を読む楽しみを、作文で採点なんかしないでほしい」と思ってたんですよね。

岩田 確かに、読書感想文は鬼門です。「なんで読書感想文が宿題にあるんだ?」って思っている親も子どもも多いと思うな。

宮野 一体どうして、夏休みの宿題の定番なんだろう?

岩田 それは、「青少年読書感想文全国コンクール」というものがあるからです。

【参考】
青少年読書感想文全国コンクール(主催/公益社団法人 全国学校図書館協議会・毎日新聞社 後援/内閣府・文部科学省)

これに応募作品を募らなくてはならないけれど、そのために学校でわざわざ夏休み前に授業はしない、できないという事情があるのね。決められたカリキュラムや年間の予定にそって授業を進めている学校が、読書感想文のための授業を優先して一学期にやるということは、なかなか難しくて。

宮野 だったらいっそ、読書感想文の宿題自体をやめちゃえばいいのに!

岩田 でもね、読書自体は身につけてほしい「いいこと」で、そこはまちがってはいないのね。活字離れといわれて、「やっぱり読書は大事だ」とか、「読書を推進しよう」とかいわれて、こういうコンクールを通じて読書を奨励しようとしているわけで。本を読む子が増えれば、本も売れるし。

宮野 それは確かに、出版業界で仕事する端くれとして、切実な問題だなあ。

岩田 ちょっと専門的な話になるけれど、国語の勉強は、こんなカテゴリーにわかれています。

  • 話す
  • 聞く
  • 書く
  • 読む
  • 言語(漢字・ことばなどの知識)

この中の「書く」という分野の授業で、「手紙の書き方」「説明文の書き方」「物語文の書き方」などを教えているのね。

宮野 なるほど。話し言葉のインプット/アウトプットと、書き言葉のインプット・アウトプットというわけね。

岩田 「文章を読んで構成を読み解いて、感想を書く」ということは、一年を通して学んでいるの。そういう意味では、まったく学習していないわけじゃない。

だけど、「書籍の内容を読み取って、感想を書く」ことを習うのは、3年生の後半から。だから、1・2年生の読書感想文は、たいていおうちの人のサポートが必要だったりするのね。

「じぶんの体験をどう書くか」が、読書感想文では大事

宮野 それは書きにくくて当たり前な気が……。じゃあ、「いい」とされているのはどんな読書感想文?

岩田 見るところは、「あらすじではなく、自分の体験を、どう書いているか」です!

宮野 自分の感想と生活実感を、どうきちんと結びつけるか、っていうこと?

岩田 そういうこと。自分ありきです。本で知った事実や、主人公がとった行動によって、「何か気づかされた」とか、「考えが変わった」とか。自分が主体の文章になっていることが必要ね。

宮野 うーん……たとえば?

岩田 ドキュメンタリー(ノンフィクション)だったら、社会問題や時事問題など、これからの自分たちの生活に関わるところで、「自分はどう考えているか」っていう価値観を出せる本なんかは、読書感想文が書きやすいと思う。「第五福竜丸」を扱った絵本とか、森林伐採や飢餓の問題に関わる本とか。

宮野 でも、そういうのって、感想文も紋切調にならないかな?「自然破壊はよくないと思いました」とか。

岩田 子どもの中に大きなビジョンを育てるという意味では、それもアリです。日常に今すぐ役立たなくても、世の中にはそういう価値観があって、自分がそれに共感したりしなかったりすることを認められることに、意味があるんだと思う。

「初めて知りました」
「こういうことなんだと思いました」

そんな感想を、自分の体験と結びつけて伝えられればいいんじゃないかな。

そういうことが書ける題材の本が、読書感想文を書く本としては向いていると思います。

(つづく)

 

【こちらもあわせてご覧ください】
夏休みの宿題が片付かない!:ノスタルジック・メランコリア その1


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