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2016-09-01

読まないなんてもったいない! 防災の日に改めて知った「東京防災」のひみつ

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かつて関東大震災が起こった日(1923年/大正12年)であることにちなみ、9月1日は「防災の日」とされています。

この「防災の日」に、東京都が1年前に各家庭に配布した防災ブック「東京防災」を読み返してみました。

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「東京防災」とは?

東京都(総務局総合防災部防災管理課)が作成した防災ブック。

各家庭において、首都直下地震等の様々な災害に対する備えが万全となるよう、一家に一冊常備されることをねらいとして、2015年9月1日から、都内の各家庭に配布されました。

都の本気が伝わる、実にいい本です。

「東京防災」のすぐれているところ

(1) 実用的なハンディサイズ

一般的な大学ノートサイズの半分にあたるB6サイズ、340ページの小冊子です。実寸は18 x 12.8 x 1.4 cm、思わは320g。表紙はソフトカバーで、ビニール製のクリアカバーがついています。非常用持ち出し袋に入れておくことを想定した、実用的なサイズです。

(2) 紙がいい。製本がいい。

ハンディサイズにするために、中の紙がペラッペラ。無料配布だから、表紙がペラッペラ……ということがえてしてありがちですが、そんなことはありません。つやがあってしっかりした、見やすい本文紙に、適度に丈夫な表紙がついています。長く使われることを想定した作りです。

製本も、普通にしっかりしています。個人的には、全体にページを開きやすくしなりやすく、本を開いて机の上に置いておいても閉じない作りが気に入っています。

(3) デザインがいい。読みやすい。

黄色と黒のすっきりしたデザイン。かわいいサイの子どものイメージキャラクター。ダサさを感じさせず、「手に取ってみたくなる」デザインというのは、とても大事です。

(4) 中身が濃い。わかりやすい

地震が起こる前と、起こってから、両方役立つ内容がギッシリ詰まっています。
一部の例ですが……

  • 非常用持ち出し袋の中身
  • 備蓄の量の考え方
  • ローリングストックともいわれる日常備蓄のすすめ
  • 身の回りのものを利用した傷の手当の仕方
  • ものがない災害現場での生活用品の工夫
  • 避難所などでの衛生の保ち方
  • 生活再建支援制度の紹介
  • 家族で1日かけて行う防災アクションの手引き
  • 地域で行う防災イベントの手引き

とにかく「都市部での地震災害」に関して、知っておくと便利と思われるものが何から何まで入っています。

紹介されている「もしものときに役立つ知恵と工夫」は、阪神淡路大震災や東日本大震災など、被災地の体験談や教訓が生きている、実際的なものだと感じました。

(5) 一部だけ読んでも役立つ。全部読んだらもっと役立つ。

目につくところを拾い読みするだけでも、考えたり、行動するきっかけをもらえたり、役立つ知識をひとつ知ることができます。どこから読み始めても構わないし、関連ページへのガイドが細かく入っていて、リンクをたどることで関連のページを次々読み進むこともできる作りになっています。

「東京防災」のひみつ

熟読しているよい読者ではありませんが、今回開いて気づいた小さなことをまとめました。

◎キャラクターの名前は「防サイくん」。

生まれも育ちも東京都の、3歳の子どものサイ。ちゃんとプロフィールがP.6に書いてあります。かわいい!

◎「今やろう」マークをパラ見するだけでも役に立つ。

「すぐ実践できる防災アクション」に、オレンジ色の△の「今やろう」マークがついています。そこを拾い読みするだけでも、防災の行動につながります。

◎場所別インデックスが結構使える。

P.320〜321に「場所別インデックス」があります。地震が起こったとき、どういう場所にいるかから、注意点や対応のページに飛べるインデックスです。

東京は都市部だけではありません。記載の量は多くありませんが、山間地や島嶼についても記載があります。

◎地震以外の災害についても記載がある。

大雨・暴風、土砂災害、大雪、火山噴火といった自然災害はもちろん、テロ・武力攻撃、感染症のページまであります。

台風の首都圏直撃が予報されたら、該当ページにちょっと目を通しておくのもいいのではないでしょうか。

◎かわぐちかいじのコミックつき。

「沈黙の艦隊」「ジパング」などの漫画家かわぐちかいじの14ページのまんがつき。ビジュアルでイマジメーションに訴え、「大地震はいつか必ず起こる」ことを考える入り口、きっかけとしての役目を持っています。

◎ページ下に、「防サイくん」のパラパラまんががある。

見開きの右下に、防サイくんのパラパラまんががあります。地震がきたとき、防サイくんがとった行動は? かわいくてよくできています! 小さな子どもに、防災意識を持たせるきっかけづくりに役立つかも?

電子書籍は無料。他言語版のPDFも無料

この冊子は非常に人気が高く、現在、紙の本の販売は品切れ状態のようです。

電子書籍は無料・0円で、Kindle、hontoなどの電子書籍ストアで販売されています。

【参考】
「東京防災」の電子書店での取扱開始について - 東京都防災ホームページ

ただし文字が小さく、スマホで読むのは多少厳しいので、タブレッドなど大きめの画面サイズでの閲覧をおすすめします。

また、東京都のサイトからのリンク先では、「東京防災」英語版、中国語版(簡体字及び繁体字)、韓国語版のPDFが無料でダウンロードできます。

【参考】
「東京防災」多言語対応 - 東京都防災ホームページ

英語版のみ、冊子の用意があるそうですが、日本語版同様、まだあるのかどうなのか? この内容は、外国からきた方にもぜひ目を通していただきたいと思います。

読まないともったいない!

今からすぐ防災のための行動を起こし、この先もずっと役立つ冊子にするために、さまざまな工夫がこらされた、よくできた防災ガイドBOOKです。これが1家庭に1冊無料で配布され、さらに1冊140円で販売されたというのは驚きです!

改めてパラ見しても、我が家の準備が足りないことがよくわかるので、この本を手掛かりに改めて防災アクションを起こしたいと思います。

意外と、配布されたまま読んでいないご家庭も多いのではないでしょうか?

読まないともったいないですよ!

 

【参考】
防災ブック「東京防災」 - 東京都防災ホームページ

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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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