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2016-08-30

観察すれば不思議がいっぱい。「おしべ」はどこだ!? 花の秘密

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そろそろ夏休みシーズンも終わりですが、自由研究が宿題の小さい皆さんは、何を研究材料に選んだのでしょうか。

身近な植物はふしぎの宝庫。遠くまでいかなくても、おもしろい材料が意外と近くにあるかもしれませんよ。

雨だったので室内で花を観察

2016年8月27日(土)に行われた「グリーンセイバー歓迎会」では、天候がザアザア降りの雨だったため、川辺で行うミニ観察会が、屋内で行う雨プログラムに切り替えられました。

昨日ご紹介した「里山ゲーム」の前に行われたのが、「朝摘みフラワーの室内観察会」です。

用意されたのは、当日朝に採取されたツユクサとカンナの花。

観察といっても、どちらも比較的ありふれた花に思えました。

カンナの花を分解してみる

指示に従って、カンナの花の筒状にラッパ状にくるまった花びらを、レタスをはがすように、分解してみました。

160827canna01_

「さて、おしべはどこにあるでしょう?」

あれ? 真ん中まで分解したのに、いわゆる「おしべ」「めしべ」っぽいものが見当たりません。

「実はおしべは、花びらと一体化しているここの部分です。そしてめしべの方ですが、一番真ん中のへらのような細長い1枚がめしべです。」

なんです……と……?

160827canna02_

すみません、これ、その場で口頭で話を聞いただけでは、どういうことなのかさっぱりわかりませんでした。

それで結局のところ、おしべはどれなんですか?……と。

ツユクサの仮おしべ

次に、ツユクサの花を観察しました。観察といっても、ツユクサの花びらはすでに乾いて縮こまりかけています。花としての見栄えはよくありません。

「さて、おしべはどれでしょう?」

なんとなくわかってきました。1.5cm程度しかない小さなしぼんだ花によーく目をこらします。おしべ、おしべはっと……。

あれ? 黄色いおしべっぽいものは、上にひとかたまり、下にもひとかたまりあります。そして真ん中にくるくる巻いた、これがめしべ?

なんだこれ! どうして?

上のひとかたまりの黄色いのは、見かけが派手だけど花粉が少ない「仮おしべ」。そして長くのびた1本が、見かけは地味だけど花粉が多いおしべだと説明されました。

ちなみに、2本くるくるしているのもおしべのようです。

いやホント、なんでこういうかたちになるの?

形状のちがうおしべを何種類も用意していることが、虫たちに花粉を運んでもらう上でどういう戦略になるのか、ツユクサによーーく聞いてみたいところです。

サルスベリの花のおしべはどうなっている?

歓迎会が終わったところで、有志で当初行く予定だった川辺まで歩いてみました。

結構な雨でしたが、路端の植物をネタに数メートルごとにでてくる新しい話題に、雨も気にならず盛り上がります。

そんな中遭遇した、おなじみ夏の花、サルスベリ。

「サルスベリのおしべは、どうなっている?」

いわれてのぞきこみます。

サルスベリの花ってフリルがもっさもっさしていて、なかなか構造がつかめないんですよね。よーく見てみると……。

あれ、これも真ん中と外側に、2種類のおしべがある!

160827crapemyrtle02

いつもよく見ているつもりなのに、見てないものだなと思いました。

「ふしぎ」「おもしろい」に理由はないし、終わらない

ふしぎなものに出会うと、「なんでなんで? どうして?」と思います。

研究している人はいるので、Webや図鑑で調べると、一定の答えはでてきます。

でも、それで納得して終わるわけではない。この世界の複雑さ、生きもののおもしろさに、さらに惹きつけられます。

知りたい、さわりたい、わかりたい、おもしろい。やばいやばい! 危険な人ですね。

このあと、目につく植物、いろんなものを分解したくなるのが困りものですが、刺激的で新鮮な体験です。

自分も含め、みんなもっと、身近な花を本気で見てみるとおもしろいと思いますよ。

【参考】
カンナの花の構造 - 三河の植物観察
ツユクサの仮雄しべ - なかなかの植物ルーム
サルスベリ(百日紅、猿滑) - 気ままに自然観察 ー樹の花 マイ図鑑ー
サルスベリの小さい雄しべは花粉を出すのか - 木のメモ帳

 

【こちらもあわせてご覧ください】
サイコロをふって自然を取り戻す「里山ゲーム」がおもしろい。
まずは歓迎会とスタートアップ講座から。グリーンセイバーは、合格してからがおもしろいんです。
植物オタク志願。(グリーンセイバー資格検定)


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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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