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2016-08-22

台風がくると調子が悪い?気象とストレスを知るためのキーワード3つ

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台風がくると眠い、だるい、体調が悪くなるという声を、よく聞きます。気象とストレスについてはさまざまな情報があふれていますが、信頼のおける情報にたどりつくには、キーワードを知っておくと検索の近道になるようです。

気象とストレスを知るためのキーワード3つ、私は今回初めて知りました。皆さんはご存知でしたか?

気象と心身のストレスの関係は、統計的には明らか

今日は台風9号が関東地方をお昼に直撃。千葉県に上陸して、交通も大いに乱れました。

私は、台風、暴風雨など、低気圧がやってくると無性に眠く、だるくなります。頭痛などはないのですが、頭と体が吸い込まれるようにダウンしていきます。これがまるで薬か魔法の効き目のように強力なのです!

体調不良がひどい人は、偏頭痛や吐き気を感じることもあるようですね。FacebookやTwitterを見ていると、「台風が近づいているので調子が悪い」という声は少なくありません。

また、低気圧になると足腰や首肩・古傷などに痛みを感じるかたもいらっしゃるようです。

いろいろ調べてみたところ、気象と心身のストレスの相関関係は、医学的に証明されてはいないけれど、統計的には明らかだと考えられているようです。

できるだけ信頼できる情報を知りたいと思ううち、3つのキーワードに行き当たりました。これを知っておくと、検索が格段に早くなります!

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気象とストレスを知るためのキーワード3つ

(1) 生気象学

生気象学(Biometeorology)」というのは、「気象・気候と人間を含むあらゆる生物体との関係を研究する学問」なのだそうです。

欧米では、生態学の一分野として、植物生気象学や動物生気象学に重点がおかれていますが、日本の生気象学は、人体生気象学が主流です。

そしてこの研究によれば、気圧が心身に与える影響は、無視できないようです。

福岡:高気圧が発生すると自律神経が活発になり、低気圧だと不活発になります。なぜそうなるかはわからなくても、統計的にはっきりしています。その繰り返しによって人間は元気になったり体調を崩したりします。

「子どもが騒ぐと雨が降る」ということわざがあります。これも自律神経の高まりのせいでしょう。天気がよいから子どもは騒ぐわけで、いまの話と逆に聞こえますが、「天気がよい」という状態は、高気圧の終わりかけを意味しています。つまり、その後に近付いている雨の兆しでもあるわけです。ことわざを知ると、昔の人は前線を知らないけれど、空気の動きを感じることができたのだなと思いますね。

実際、感受性の強い人は気象予報士よりも気象を的確に当てると言われています。そこまで鋭敏ではなくても、古傷が痛むといったことから雨を感じる人も多いと思います。

福岡義隆(立正大学地球環境科学部教授、日本生気象学会幹事など)
「その元気、その病気、じつは天気が決めていた! 気候と体の深い関係」より

低気圧で眠気や不調がくる理由は、軽い貧血や高山病にたとえて説明されていることが多いようです。

  1. 酸素濃度が薄くなってリラックスを司る副交感神経が優位の状態になり、眠くだるくなる。
  2. 外からの圧力が弱まることで、体の内から外へ向けての力が強まり、血管が膨張して、むくみ、頭痛、倦怠感、痛みなどを引き起こす。

「気のせい」では済まされない大きな変化が身体に起きていることは、体感的にも納得できますね。

【参考】
バイオウェザーサービス「生気象学ってなに?」 - いであ
日経ビジネスオンライン「その元気、その病気、じつは天気が決めていた! 気候と体の深い関係/「生気象学」という身近なストレス科学–福岡義隆氏(前編)」 - 日経BP社
日経ビジネスオンライン「暖かい気候は体にいいと聞くけれど…地球温暖化は?/「生気象学」という身近なストレス科学–福岡義隆氏(後編)」 - 日経BP社

(2) 気象病

気象が直接・間接に影響して身体に不調が起きるという考え方から、不調に与えられた名前が「気象病」。別名「お天気病」などとも呼ぶようです。

以前からあった言葉のようですが、2015年に、このタイトルを冠した書籍の出版が相次ぎました。

「健康と気象」「医学と気象」なども、これに近いキーワードといえそうです。

Amazonなどでこの言葉で検索をかけると、関連の書籍が複数ヒットします。

【参考】
ダヴィンチニュース「低気圧が近づくと夫婦げんかが増える? 台風の中、田んぼを見に行ってしまうのはなぜ? 日常に役立つ「気象病」という考え方」 - KADOKAWA

(3) 天気痛

不調の中でも「痛み」にテーマをしぼって登場した言葉が「天気痛」です。

2015年1月21日に放送された「NHKガッテン!」で取り上げられ、注目されているようです。

肩こり頭痛関節痛古傷といった、気象の変化で感じる「痛み」と、その解消法について、あれこれ検証されています。

気圧の変化により、耳にある気圧センサーが異常を起こし、痛みやストレスにつながるのだそうです。そしてこの予防・治療に「酔い止め薬」が役立つことがわかったとされています。

【参考】
NHKガッテン!「天気が悪いと痛み出す 肩こり頭痛関節痛古傷大解消SP(2015年1月21日) - NHK

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気圧の変化がもたらすストレスに備えよう

台風と眠気や不調に関した情報をまとめているサイトでは、対策も書かれていることが多いですが、猛烈に眠い自分の実感としては、なにせ敵があのパワフルな台風ですから、少々の対策でははねかえせる気がしません。事情が許す限り白旗を上げて、布団に入ってしまいたいものです。

けれど、そういうわけにはいかない場合や、痛みやつらさがひどい場合は、やはりなんとか対策したいですよね。

上で紹介した3つのキーワードで、検索をかけたり、関連書籍を探すと、役立ちそうな情報がいろいろヒットします。

自分の不調の「クセ」を知った上で、日頃からキーワードをもとに対策を研究しておけば、次の低気圧襲来時には、つらさを軽減できるかもしれませんね。

 

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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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