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2015-08-31

点と点をつなぐ楽しみ、過去と向き合い得られる気づき。(自分史活用アドバイザー認定講座)

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自分史について本格的に勉強する、「自分史活用アドバイザー認定講座」に参加してきました。

 

自分史活用アドバイザー認定講座 2015.8.30 神奈川県横浜市戸塚区

自分史活用アドバイザー認定講座 2015.8.30 神奈川県横浜市戸塚区

「自分史活用アドバイザー」とは

自分史活用アドバイザー」とは、一般社団法人自分史活用推進協議会が認定する資格です。「自分史で日本を元気にする」というビジョンを実現しようと、自分史の魅力や活用法を広く普及する人材を養成するために作られました。

2012年春から認定講座がスタートした、比較的新しい資格でもあります。これは、2011年の東日本大震災と福島の原発事故を境に、日本に暮らす人の意識が大きく変わったことと関係が深いといえるでしょう。

ただ、「自分史」という言葉が使われ始めたのはもっと前。1975年(昭和50年)7月、歴史学者の色川大吉氏が『ある昭和史 自分史の試み』という本を出版したことがきっかけといわれています。

 

祖父が自分史を自費出版していた

私にとって「自分史」という言葉で思い出すのは、祖父のことです。

20年前に亡くなった祖父は、仲のよかった祖母との死別を契機に、祖母の俳句を作品集にまとめ、家族の思い出をつづり、亡くなるまでに6冊の本を自費出版で出しました。祖父の本は今でも、国立国会図書館に収蔵されています。

今回、東洋文庫アカデミアで「自分史」について話をすることになり、かつて祖父が楽しんだ体験をなぞりつつ、改めて、文章が苦手な人にも自分のことについて文章をつづる楽しみを知ってほしいと思いながら、準備を進めてきました。

 

自分史は自由で楽しいもの

今回の「自分史活用アドバイザー認定講座」を受ける前、ほんの少しですが、「資格」というものに反発するような気持ちがありました。

「自分史」と名前をつけて型にはめることで、何か「自分史はこうでないと認めない」といった、堅苦しいことになるんじゃないか?
表現なんて自由でいいのだから、変に「型」を考えないほうが、おもしろく楽しめるんじゃないのか?
——そんな気持ちでした。

実際受講したところ、そんなことはまったくありませんでした。
具体的な知識や活用法をひと通り学ぶことで、自分が知らなかった自分史の楽しみが広がりこそすれ、しばるような考え方は何ひとつありません。
お手軽でもOK。お金をかけなくてもOK。楽しければOK!

以前は「自分史」といえば、書籍にすること前提のようなイメージがありましたが、今では写真、映像、Web、PC、タブレットなどを〝活用〟して、自在なかたちで取り組むことができます。そういった事例も数々紹介されました。

 

記録して点をつなげば、過去から未来が見える

大切なのは、記録すること。
ひとりひとりの生きた証を、のちに伝わるかたちで残すこと。
現在と過去の点を線でつなぐと、その延長戦上に未来が見えてくる。
過去は変えられないけれど、起こったことに対する意味づけや解釈はどんどん変わっていく。

「自分史」は、人生をふりかえるシニアのためだけのもののように思われがちですが、パーソナルブランディングやコミュニケーションツールとして使えることもあり、年若い人にも取り組む意味や楽しさのあるものだということがよくわかりました。

 

〝書ける〟ことで、傷が癒えていることに気づく

私はあまり過去を懐かしみ思い出にふけるタイプではないと思っていたのですが、いくつものワークを通して、いろんな気持ちを体験しました。

いい思い出をまざまざと思い出すと、あたたかく幸せな気分を感じられます。

そして辛かったこと、落ち込んだこと、思い出したくないことを、過去のものとして分析し、文章に書くと、傷が癒えたような、救われたような気持ちを感じるのです。これは不思議な気分でした。

もちろん、まだ迷いや苦しみの渦中にあるときは、まだ文章に書くことはできません。時間だけが癒してくれる苦しみもある。それは、今はまだ無理に書かなくてもいいことだと思うのです。

 

過去に新たな意味を与えて、一歩未来へ

「自分はバカだった」と思うような体験をひとつ、今回書いて、グループの中で発表しました。書くときは勇気が要りましたが、お互いに発表しあって受け止めあうと、なんだかひとつ荷を降ろしたように気持ちが軽くなるのを感じました。

失敗も愚かなことも、思った以上に人はどこかでやらかしているもので、思うほど世間は厳しくないよ、という気がしました。自分が自分をいつまでも許せないでいるうちに、心の傷はもうカサブタになっている。それに気づけば、また新しい気分で未来のことを考えられるのです。

これを、「文章を書く」ことで体験できるのがおもしろいところです。文章術レッスンで、「もっと思ったように文章が書けると、人生楽しいよ」ということを伝えたい私としても、人にも勧めて自分でもやってみて、もっといろいろためしてみたいと思いました。

「文章が苦手な人のための『自分史』入門」では、こうした内容もお伝えしたいと思っています。書いて楽しく、知っておもしろい「自分史」、あなたもその入り口を体験してみませんか?

 


Information

東洋文庫アカデミア「文章が苦手な人のための『自分史』入門」

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自分史を書くことは、自分という人間の棚卸しを行い、新たな自分を発見する作業であり、過去の歴史や過ぎ去った時代に関する学びや気づきも得られる作業です。ですが自分を客観的に見つめて文章を書くことは、ある程度文章に慣れた人でもなかなか難しいものです。この講座では、自分史を書きはじめる前に知っておきたい基礎知識について講義します。また、実際に手を動かして自分史年表を書いていただき、自分史執筆のきっかけを作ります。

 


Information

2015年冬、かさこ塾祭りに出展します。

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公式サイト。日時・会場などの詳細は順次発表予定です。

 


Information

「宮野真有の文章術レッスン」

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あなたの思いをかたちにする文章、お手伝いします。
対面で行う個人レッスンの受講希望者を募集しています。
都内にて随時。日時と場所は、ご相談の上で決めます。
無料コースと有料コースあり。


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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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