文章を書くためのヒント006:苦手意識。
文章でもなんでも、苦手だと思うことに取り組むときは、まず「苦手意識」という心の重しを取ることから始めてみませんか?
「苦手意識」は困りモノ
文章のお悩みについてうかがっていると、文章のうまい下手に関係なく、相手の方にとって「苦手意識」がすごく重荷になっていると感じることがあります。
この「苦手意識」、困りモノです。
苦手意識は、目隠しのようなもの。
もしくは、手足につけた重しのようなものだとつくづく思います。
見えない。動けない。
それは「できない」こととは別の問題点です。
文章でいえば、文章としてはそんなに悪くない、むしろその個性が味になっている場合もあるのに、本人が「苦手」に感じている場合があります。
そうなると、書くこと自体が苦痛になります。なんとか書けても、本人の臆病さや後ろ向き加減が文章に表れて、本来の目的とはうらはらに、ネガティブなイメージを伝えることになってしまう。なんて損をしているのでしょう。
いってしまえば、美しく正しい日本語を書くなんて、どうでもいいこと。
それよりも、伝えたいことが伝わって、自分が満足、伝えた相手も満足することが、文章を書く一番の目的です。
正しい日本語を書くのは、そのための「方法」であって、目的ではありません。
縮こまる思考や身体を自覚
「苦手意識って、困りモノだなあ」なんて感じていましたが、どうしてどうして、自分にもしっかりその足かせがあることを、先日くっきりと思い出してしまいました。
私の苦手意識、それはお金に関すること、そして時間と空間の整理整頓です。
どちらもフリーランスで仕事をやっていく以上、避けては通れないこと。だからこそ、苦手意識をこじらせたあげく、自信喪失、開き直り、自虐ヤケクソのこじらせ道に踏み入ってしまっていたようです。
問題から目をそらせていられる間はいいけれど、一旦目の前に突きつけられると、「わかってるわよそれがナニ!?」と逆ギレしてしまう始末。
“個人の生き方を考える”ヒキダシスト石崎公子さんが主催する勉強会 Club Zakkyで、先日、お金のプロとしてアドバイスをされている方から「今後の人生に必要なお金の考え方」の話をうかがう機会がありました。私は、聞けば聞くほどダメな自分が責められている気がして、どよんと気が滅入ってしまったのです。
本当に、世の中、自分が好きなこと得意なことだけで渡っていけたら、どんなに心が平和でいられることか……(遠い目)。
しかし、話をしてくれたお金のプロは、にっこりと笑って力強くおっしゃいました。
「過去の失敗は忘れましょう。これからどうするかを考えましょう」
「やりたいことをやる。自分がラクになる。お金のことを考えるのは、そのためにこそ必要な手段です」
「またうまくいかなかったら、うまくいく方法をまた考えて調整して、何度でもやり直せばいいんです」
そうか! そうなんだ! そうだった!
自分自身も「苦手意識」を持つことで、どれだけ思考も手足も縮こまっていたかを再確認しました。
今後すぐにうまくやれる保証はないとしても、やる前から立ちすくむ必要はないはずです。
10回失敗したなら、11回目に成功すればいい。またダメでも、20回目に自分にあったそこそこうまいやり方を見つければ上等。
自分にとっての課題をひとつずつクリア
必要なことは、これだけ。
- 「今、これだけのことができている。これができていない」ことを認識する。
- これから自分がどうなりたいか、何がしたいのかを見据える。
- そのために、具体的に何をすればいいのかをひとつずつ考える。
それがどうしてこうも苦しむことになるのかというと、「コウシナケレバナラナイ」と思い込んでいるからなんですね。
「苦手意識」を背負ってしまっていると、その重荷だけで無駄に四苦八苦してしまいます。
たとえば、花の名前を知ること。たとえば、絵を描くこと。
別にしなくてもいい、わからなくてもいいと思えることなら、苦手だからって自暴自棄にならなくても済みます。そして新たにわかってできるようになれば、世界が広がったことに感動できます。
今まで知らなかった・できなかったことまで含めて、楽しい体験と思えるのだから不思議です。
苦手と思い込んでいることも、少し心のあり方を変えれば、そんなふうに一歩ずつ進んでいけるのでは……?
一旦重荷を下ろして、心を切り替えてから、やれることをやろう。
久々に、苦手なお金と整理整頓の問題に、前向きに考えようという気分になれました。
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