toggle
2015-04-11

『サクラ ハンドブック』で、身近な桜の品種を知って、もっと好きになろう。

Share
ヤエベニシダレ(サクラ) 2015.04.02 東京都練馬区

ヤエベニシダレ(サクラ) 2015.04.02 東京都練馬区

桜の品種別の花の特徴は、花の「おしり」に出るって知ってましたか?

花の裏側の、枝から花につながる部分をしっかり観察すると、桜の品種名がわかるかもしれません。

ソメイヨシノが散っても、桜の季節はまだ続いています。今日は、桜を見るのがすごく楽しくなる、お勧めの桜の本を紹介します。


「サクラ ハンドブック」
大原隆明(著)
文一総合出版
2009.3.1 初版

 

携帯しやすいコンパクトなサイズが魅力

他の本がお目当てで立ち寄った植物の本のコーナーで、平積みになっていたのをつい手にとってしまいました。

魅力的だったのは、そのサイズ。薄い! 軽い!
天地18.2センチ×左右11センチ×厚み6ミリの、表紙込み全92ページ、フルカラー。重さは、スマホよりも軽い125g。女性のハンドバッグにもするりと入るサイズです。

パラパラとめくると、コンパクトなサイズのわりに、中身はぎっしり。非常に見やすいレイアウトで、多数の桜の花・葉の拡大写真が、見開き2ページに1種、カタログ式に並んでいます。

桜のどこを見れば、品種を特定しやすいのか。特徴が現れやすい花の裏側の注目ポイントや、葉のかたちやサイズの見どころについても、冒頭で詳しく解説していて、抜かりがありません。

 

見やすく、わかりやすく、美しくて実用的

前文によると、このハンドブックのねらいは、「この本を携えて実物を見て、サクラを知る喜びを知ってほしい」だそうです。

その目的のために、必要な情報をしぼりこんで、見やすく美しく作りこんであります。よく見ると細かく特徴が異なる、さまざまな桜の写真を眺めているだけでも、美しく楽しく感じられます。

野生種・栽培品種を合わせると、桜は実に300種類以上あるとか。このハンドブックに収録してあるのは、厳選した野生種11種、栽培品種52種。これが多いか少ないかは、素人には判断のつきかねるところですが、パラパラと見ていると、うちの近所にある3種の桜の品種が特定できたので、「これは使える!」と思い、買ってしまいました。

 

150325sidare-sakura

ソメイヨシノよりも一足早く咲く、紅色が濃い一重咲きのしだれ桜。これは、エドヒガン系の「ベニシダレ(紅枝垂)」。

 

150402sidare-sakura

ソメイヨシノよりとほぼ同時期に、少し遅れて花開く、花の色が濃いふわふわの八重咲きしだれ桜。これは、やはりエドヒガン系の「ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)」。

 

Exif_JPEG_PICTURE

ソメイヨシノが終わった後からが本番の、あちこちで見かける紅色のもこもこした華やかな八重桜。これが、開きかけの花を桜の塩漬けに利用したりもする「カンザン(関山)」。

 

そのほかにも、早春に花屋で見かける「啓翁桜(ケイオウザクラ)(=トウカイザクラ/東海桜)」。先日の自然観察会で見てきた、野生種の「オオシマザクラ(大島桜)」と「エドヒガン(江戸彼岸)」。花を見ていないので「五色の桜」と聞いてもピンとこなかった、黄色い桜「ウコン(鬱金)」や、緑色の桜「ギョイコウ(御衣黄)」。寒い季節に北風にふるえながら咲くのを見たことがある、二季咲きの「ジュウガツザクラ(十月桜)」など……。

名前を聞いたことがあるぐらいで、実はよく知らないいろんな桜の、特徴をとらえたわかりやすく美しい写真を見ていると、改めて現物を見たくなってきます。

 

桜がもっと好きになる!

掲載している桜の大半を、ソメイヨシノに比べて咲くのが早いか同時期か遅いかによって分けているのも、非常に素人にとってわかりやすいです。品種名がわからないときに、非常に引きやすく、みつけやすい。実際に花の咲く時期に、この本を持って桜の木を見にいくのが、一番正しい使い方でしょう。

巻末には、日本全国の桜の名所一覧がついています。桜を見るとこの本が見たくなり、この本を見ると、また桜を実際に見てみたくなります。

細かいポイントですが、裏表紙の見返しに目盛りが印刷してあってメジャーとして使えるところも、作りが細かい。この本を持って出たときに、気になる花や葉のサイズを測ることができるようになっています。

新居に桜の苗木を植えることを検討しているような場合に、この本の記述を参考に、「小型で家庭の庭にも向く」とされる二季咲きのジュウガツザクラを候補にしてみる、という使い方もできるでしょう。

 

「ソメイヨシノだけが桜じゃない。そう知ってるけど、今イチよくわからないんだよなあ……」

そう思っている人なら、きっとハマると思いますよ。まさに、桜を見るのが楽しくなる小さな1冊。春・必携のハンドブックです。

 


Information

「宮野真有の文章術レッスン」

lesson_e

あなたの思いをかたちにする文章、お手伝いします。
対面で行う個人レッスンの受講希望者を募集しています。
都内にて随時。日時と場所は、ご相談の上で決めます。
無料コースと有料コースあり。


宮野真有ツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
https://twitter.com/miyano_mayu

宮野真有Facebookページ(「いいね!」をするとブログの更新情報がタイムラインに届きます)
https://www.facebook.com/miyanomayu

Share
このブログを書いている人
profile001

宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

関連記事