これが、ソメイヨシノのお父さんとお母さんの桜です。(自然観察会・都市農業公園)
去る3月末の日曜日、渡邉佑圭さん主催の自然観察会に参加してきました。
場所は、東京都足立区にある都市農業公園。ガイド役は外村彰子さん。今回の自然観察の対象となった都市農業公園に3年間勤めた経験があり、いわばこの公園は彼女にとっての庭!
歩きながら写真を撮りながら、何を質問しても専門家の答えが返ってくるという、幸せな時間を過ごさせていただきました。
折しも桜のシーズン、世間は花見の季節。この公園にも、見頃を迎えた桜がたくさんありました。
中でも、先日知った「ソメイヨシノを作出するためにかけあわせた、元となる2種類の桜」である、エドヒガン(江戸彼岸)とオオシマザクラ(大島桜)が目を引きました。
そう。桜はソメイヨシノばかりではありません。都市農業公園は、江戸時代に「荒川堤の五色桜」とうたわれた風景を再現するため、ソメイヨシノに限らず、濃淡さまざまな色を持つ34品種82本の桜を植えた、桜の名所でもあります。
エドヒガン(江戸彼岸)
エドヒガン(江戸彼岸)は、輝くような薄紅色の桜です。花の色の感じは、ソメイヨシノに非常に近く感じられます。
葉が出るよりも先に花が咲き、満開時に花が密集して木を覆いつくすという性質は、エドヒガン譲りのようです。
オオシマザクラ(大島桜)
こちらがオオシマザクラ(大島桜)。伊豆大島や伊豆半島に自生する、野生の桜で、潮風に強い性質があるそうです。花の色は白く、花が咲くのと同時に葉っぱが出てきています。
ソメイヨシノの花が大型で見栄えのするところは、オオシマザクラから受け継いだ性質とのことです。
ちなみに、桜餅をつつむのに使う桜の葉っぱの塩漬けは、このオオシマザクラの若葉が使われるそうですよ。
カンザン(関山)
食べ物つながりで。こちらはカンザン(関山)という品種の桜。花はソメイヨシノよりも時期が遅く、まだこれからです。八重咲きで香りが強いのが特徴。「桜の香り」をうたう商品に使われるのは、この品種がほとんどとのこと。お菓子などに用いられる桜の花の塩漬けも、この品種が使われているようです。
アメリカ
こちらはアメリカという品種です。
明治45年に、日米友好の証として日本からアメリカに桜が贈られ、その代わりにハナミズキがアメリカから贈られた……という話は有名ですね。
この桜は、そのときアメリカに贈られた「荒川の五色桜」の中のソメイヨシノの実生から作られたものなのだそうです。
実生とは、実った実の種をまいて育てる方法です。でも、ソメイヨシノはほとんど実をつけないはずなのですが……?
花の色もソメイヨシノよりピンク色が濃いと感じます。不思議ですが、海を越えて旅をしてきた「里帰り桜」だと思うと、なんとも感慨深いものがありますね。
桜並木として植えられたアメリカは、とても華やかで見応えがあります。
その他の木々
そのほか、園内の木々の春の気配から。
ケヤキも新芽を吹き出していました。こうなってから木全体が緑に覆われるまではわずかの間。桜の花以上に時期の短い、春の景色です。この新芽のけぶるような黄緑色が大好きです。
こちらは、ハナモモではないかとのことでした。モモ(桃)の花は、桜と近い時期に咲きますが、桜とちがって花を支える長い花柄(かへい)がなく、花が木に直接くっついているかのように見えるところ、そして花びらの外側に切れ込みがないところが特徴です。
コブシの花もまだ咲いていました。
そしてなんと! 咲き始めのときには見られなかった、「花の根元に葉っぱが1枚」が、出てきています! なるほどこれが「ハクモクレンとの違い」の特徴のひとつなんですね……。
生き物たち
おまけ。オオシマザクラに留まったヒヨドリ。
この日はガイド役の外村さんが、虫のこと鳥のことをいろいろ教えてくださったので、自然と、いつもより虫や鳥にもカメラを向けるようになりました。
動きものを撮るのは難しい! ピントがぴしゃりと合わない! そして寄れない! もっと撮影、精進しなくては……。
この公園の「五色桜」は、ソメイヨシノを含むさまざまな品種の桜が混植されて、白、黄色、淡紅色、濃紅色、紅色など、五色の雲がたなびくように見えたことからついた名前と言われています。
園内の桜の木は、まだまだつぼみのものが多く、これからが楽しみな状態でした。
2015年4月4日(土)〜4月19日(日)には、「五色桜祭り」が開催されるとのことです。今よりもっとさまざまな色に咲く桜、見てみたいものです。
花見というとソメイヨシノに目が行きがちですが、ソメイヨシノばかりが桜ではありません。
ほかの桜にも目を向けてみると、桜をもっと広く深く楽しみ、愛でることができるのではないでしょうか。
Spot Data
都市農業公園
公式サイト http://www.seibu-la.co.jp/adachi-agri/
場所 東京都足立区鹿浜
アクセス
日暮里・舎人ライナー「西新井大師西」駅下車、徒歩30分。
東武スカイツリーライン「西新井駅」、都営日暮里・舎人ライナー「西新井大師西駅」、JR高崎線・宇都宮線・京浜東北線・埼京線・新宿湘南ライン線「赤羽駅東口」ほかからバスを利用。
季節の花
春は五色桜やチューリップ、秋にはコスモスなど、季節の花が楽しめる。水田や畑、梅林、ハーブ園、温室、、河川敷花壇、芝生広場などもある。
備考
都市農業交流館、工房棟、レストハウス「みはらし茶屋」、古民家、長屋門、ボランティアルーム、遊具広場等などの施設あり
入園料 無料
開演時間 9時〜17時(5〜8月は18時まで)
休園日 年末年始(12月28日〜1月4日)、毎月第1・第3水曜日
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