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2015-03-06

文章を書くためのヒント003:広げる。

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文章が苦手で書きあぐねている人のために、「思いをかたちにする文章」を書くヒントをご紹介しています。

短い文章も長い文章も、ブログも小学生の作文もプロのライティングもスピーチ原稿も、「ミニマム」「広げる」「削る」の3つのステップで、きれいにまとめることができます。「書くのが苦手だなあ」と思っている人は、ぜひやってみてください。

今回のキーワードは「広げる」です。

シラカシ 2015.03.05 東京都練馬区・長命寺

シラカシ 2015.03.05 東京都練馬区・長命寺

 

これから書きたいことを「ミニマム」なところまでしぼりこんだら、今度はそこから「広げて」いきます。

作業的には、文章をどんどん書いて、表現を重ねていきます。できるだけ手を動かして、目に見えるかたちにしてください。

文章は、若干荒削りでも問題ありません。うまくつないでいくことができなかったら、小学生の作文みたいに、「〜です」「〜です」「〜と思いました」の羅列でもOKです。とにかく書き出します。

書き出すことによって、文章となった自分の思いを、客観的な目で見ることができます。整えるのは、それからで構いません。

書かずに頭の中だけで構成を考えたり、不要な要素を削っていくことのほうが、難しい作業です。それができるのは、ある程度書き慣れた人の話。文章が苦手だと思っているなら、面倒でも一度書き出してしまうほうが、結果的に作業が楽になります。

 

「文章を書くためのヒント002:ミニマム。」で、ミニマムに言いきった自分の思い、

桜は春の花の王者だ。

を元に、ブログ記事用に短めの文章を書いてみることにします。

ブログ記事で人に見せるものですから、最終的には、季節感のあるエッセイっぽい、なんかイイ感じの文章にまとめたいわけです。……が、その作業は、今のところ横ちょに置いておきましょう。
桜の花のどんなところが素敵なのか。どんなところが、ほかの春の花に比べてすごいところなのか。それを考えて、とりあえずひたすら並べてみます。

梅の花が咲きました。ここから桜の開花まで、もう1ヵ月をきっているんでしょうね。桜の開花は、春のクライマックスだと私は思っています。ストイックな梅の花と比べると、桜の花は思いのままに咲き狂う華やかなエネルギーを感じます。その時期からほかの花もいっせいに咲き出す。本格的な春のスタートのきっかけが、桜の花の開花だと思います。

桜のイメージって、一言では語れない気がします。みなさんのイメージはどうでしょうか? ふんわりしたやさしいピンク色のふわふわしたあったかい感じ。満開のときに感じる、とてつもないエネルギー。あまりにきれいで、すごみがあって、どこか怖いような気持ちになることもあります。桜吹雪を舞わせてどんどん散っていくときには、せき立てられるような感じもします。和風のイメージもあるし、洋風にも合う。いろんな歌ではいろんなシチュエーションで歌われていて、すごくいろんなイメージがあると思えます。すごく不思議です。

桜の花で私がイメージするのは、明るい春の空の下で、みんなが笑顔になっているところを想像します。若いカップルも、小さな子どもを連れた親も、高齢のご夫婦も、ひとりで散歩している人も、老若男女誰もが桜の花を見上げるとき、ふんわりした穏やかな笑顔になる。こんなこと、ほかのどの花にもできないのではないでしょうか。桜は、春の花の王者です。

 

自分が思ったこと、感じたことを広げてふくらませて書き表す場合、表現ゆたかな文章にするためのコツがひとつあります。「一番言いたいことを言わない」「NGワードにする」という方法です。

桜は春の花の王者だ。

なら、

  • 王者
  • 素敵
  • すばらしい
  • 最高

といった言葉を封印します。言ったらもうそこで話は終わってしまうからです。

直接的な言葉で表現せずに、「それ」を言い表す。そう考えると、「もっとほかの言い方はないか」と考えるようになります。

一番大事なことは、最初か最後にただ一度だけ、一番強い言葉で言う。それぐらいでちょうどよいと思います。

 

お知らせ、紹介、宣伝といった「情報系」の文章の場合は、広げ方がまた異なります。基本は、5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・どのように・どうした)を意識しながら、どんどん事実や情報を追加していくことになります。これはまた別の機会に。感情や感覚、考えを言葉にするよりは、比較的簡単な作業になります。

 

次回、こうして広げた文章を「削って」仕上げる作業についてお話しします。

 


《ドリル003》
あなたが一番言いたい「ミニマム」な一文を広げるときに、一番言いたいがゆえに多用を避けたい、「感覚」のNGワードを考えてみましょう。そしてほかの表現で言い換えてみましょう。

(例)

  • 映画がおもしろかった。 →おもしろかった、感動した、泣けた
  • 花がきれいです。 →美しい、素敵、きれい
  • ウチの犬がカワイイ。 →かわいい、愛しい、大好き
  • つらい体験をした。 →つらい、悲しい、ひどい
  • イベントが楽しかった。 →楽しかった、よかった、最高
  • 昨日は本当に寒かった。 →寒かった、こごえた

 


「自分は、ボキャブラリー(語彙)が少ない」「いつも似たような言い回しになってしまうんです」と悩んでいるあなた。それは、みんなが思っています。誰もが通る道です! たくさん文章を書くプロほど、手あかのついた言い回しを嫌い、「今度はちがった言い回しにしよう」と考えているものです。

たくさん本や文章を読んで、「へえっ、こんな言い方するんだ!」と発見をしながら、辞書を引いたり、実際にその言葉を使って文を考えてみたりして、地道にコツコツとボキャブラリーを増やしてください。

そして、できるだけ毎日、たくさん文章を実際に書いてみてください。野球で素振りをするように、美術でスケッチをするように、音楽で練習をするように、マラソンでランニングをするように。

 

では、また。

 


Information

「宮野真有の文章術レッスン」
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あなたの思いをかたちにする文章、お手伝いします。
対面で行う個人レッスンの受講希望者を募集しています。
都内にて随時。日時と場所は、ご相談の上で決めます。
無料コースと有料コースあり。


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