一番最初に自分で買った植物は何ですか?
鉢植えの植物を、自分のために買ったことはありますか?
一番最初はいつ、どんなときでしたか?
それがひとり暮らしのときだったり、ぽかんと空いた心の隙間を埋めるために、命ある何かが部屋に欲しくて……という人は、多いんじゃないかと思います。
その気になったときが始めどき。もし「植物を、自分は枯らしてしまう」と思っているなら、それはまだ相性のいい植物に出会っていないだけかもしれません。
私が一番に買ったのは、ドラセナ・マッサンゲアナという観葉植物です。
ドラセナ・マッサンゲアナは、幅広の葉で、若い葉には中央に黄緑色の帯がある種類です。「幸福の木」という流通名がついていて、見た目が気に入ったのと、漠然と「幸福の木……いいかも……」と癒しを求める気持ちがあって、小さめの鉢を購入しました。
入り口はやはり、インテリアとしての購入でした。置いてみると、部屋がいい感じに落ち着きます。心がくつろぐ。
で。ひとりで食事をするときに、ふと思いついて、テーブルの向こう側、話し相手がいるような場所にその「幸福の木」を置いてみたわけです。すると。孤独が薄れるというか、心の中にじわ〜っと、「穏やかな何か」が、なんともいえない感じでひたひたと来るんです。
もしかしたら、ぬいぐるみでも同じような感覚が得られたかもしれません。でも私には、部屋の中に生きているものがいることが、心地よく感じられました。
しかし幸福の木はやがて、にょきにょきと成長しました。あまり日に当てなかったので、だんだん葉の黄緑色のシマが薄くなり、葉っぱがべろーんと垂れて見栄えが悪くなってきました。そしてわさわさと上に伸び、小さい鉢ではバランスがとれなくなり、ちょっとさわるとすぐゴロンと転げるようになってしまったのです。
結局、大きい鉢に植え替える手間もかけず、切り戻して新芽を吹かせる知恵もなく、結局その木は処分してしまいました。
次に買ったのは、伊豆シャボテン公園で、自分土産に購入したサボテンでした。しかしやはり室内で育てつづけたために、日照不足で変に曲がって伸びてしまい、あんまりかわいくなくなって、さようならしました。
思いかえすとなんとも恥ずかしいのですが、無知もあってこのころは、植物に苦手意識を持っていました。その後、家庭菜園に軽くチャレンジしてへこみ、多肉植物を集めてみては飽き……やがてハマったのが、ミニバラでした。
何が言いたいかというと、植物とは相性がある、ということです。
もしこれを読んでいるあなたが、「自分は枯らすから植物はダメ、とても育てられない」と思っているなら、もしかしたらそれは、いい相性の植物にまだ出会っていないだけかもしれません。
一緒に暮らす最初の植物は、親友や恋人のようなもので、世話して世話される相性がぴったりの植物がきっとあると思うのです。人のいう「育てやすい」「きれい」「かわいい」という評価は意外とあてになりません。
最初の失敗は誰もがするものです。もしビビッときた花や観葉植物があったら、購入してみてはいかがでしょうか。それが今度こそ、あなたにとってピッタリの植物かもしれません。
Plants Data
ドラセナ
和名 ドラセナ
流通名 幸福の木(マッサンゲアナ)、ミリオンバンブー/万年竹(サンデリアーナ)など
英名 dracaena, dragon tree
学名 Dracaena Vand. ex L.
分類 ユリ目リュウゼツラン科ドラセナ属
原産地 アフリカ熱帯地域原産
耐寒性 やや弱い(5度以上)
備考 観葉植物。亜熱帯気候下では極めて強靭。葉の色かたちが異なる「マッサンゲアナ」「コンシンネ」「コルディリネ」「ソング・オブ・ジャマイカ」などの種がある。コンシンネは幹が比較的柔らかく、曲げることができる。
Calendar
5月〜9月 植え付け、植え替え
5月〜7月 肥料
耐陰性はあるが、日照が少ないと葉の色が薄くなったり艶がなくなったりする。夏の直射日光で葉焼けするので要注意。
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