2014-09-10
秋驟雨のあと。(バラ)
赤いバラに雨の粒がぎっしり。ビロードのドレスの上にちりばめられた宝石のようです。
咲きすすんで、ちょっと崩れた花の風情も好きです。雨の雫にしっとり。
バラの花に限らず花はいずれも、誰もが美しいと思うのは、咲き初めた最初の一番瑞々しいときの姿でしょう。
けれど、生きている花は少しずつ姿を変えながら咲きすすみ、やがて散ったりしおれたりするものです。つぼみが初々しく開きはじめ、満開に咲き誇り、やがて花びらが弾力を失って丸まり、少し色があせたりしながら、姿を変えていく。そのどの段階にも良さがあります。
むしろその変化がないと、花として少々物足りなくなったりもします。
午後、くもった空が暗さを増したかと思うと雷が遠くで鳴り、さあっと強い雨が降り出しました。夏のゲリラ豪雨とは異なる、しっとりと細かくて密度の濃い雨の粒。それが強い風にあおられて波打って風景がかすみ、まるで分厚いカーテンに周囲を閉ざされたようでした。
雨が上がった隙をついて外出し、目的地へ向かう通り道で撮影していたらまた雨が降り出して、あわててカメラをしまいました。
晴れたり降ったり。「変わりやすい秋の空」って、こういうのを言うんでしょうか? でも例年だとまだ残暑にあえいでいる頃だし、近年はめっきり異常気象が続いているので、素直にそう思っていいのやら。
急に降り出し、ぱたっと止む激しい雨「驟雨」は夏の季語。にわか雨。夕立。
春に降るのは「春驟雨」、秋に降るものを「秋驟雨」というそうです。覚えたての言葉を使ってみました。
週間予報だと、週末はさわやかに晴れそうです。お散歩日和だといいなあ。
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