根を伸ばす。(スノードロップ)
球根が根を伸ばす間、土の上には変化が表れない時間も長いものです。けれどそれは成長に必要な時間。あせらず水を絶やさないようにしながら時を待てば、花は開きます。
球根植物は、命のカプセルです。もちろん種子もそうなのですが、球根は命の素に加え、自分で貯めこんだ栄養分までしっかり持っています。
ヒヤシンスやサフラン、クロッカスの水栽培をやったことのある人は多いのではないでしょうか。水だけで見事花まで咲かせてくれるのは、土から栄養をとらなくても、球根の中に十分なエネルギーを持っているからです。初心者が植えても、花が咲かないという失敗はまずないでしょう。
球根に必要なのは、水と時間です。植えてから、土の上に緑の芽が顔を出すまで結構かかります。
その間、球根は何をしているのでしょうか? 土の中で、根を張っているのです。
まず十分に根を伸ばしてから、上へ伸びはじめる。だから、土の上からだけ見ていると動きがないように見えて、特に初めて育てる場合、無事に成長しているのか心配になってほじくりかえしたくなったりもするのですが、どうかそんなことはしないでください(笑)。
自分で貯めたエネルギーを使って成長し、また次の年のためのエネルギーをしっかり貯蓄して眠りにつく。勤勉で実直な球根は、植えっぱなしで世話のかからない優等生です。
ウチにあるのは、スノードロップという小さな球根植物です。「春を告げる花」として知られています。ウチのベランダで春に、一番早く咲く花が欲しくて植えました。
買ってきたときにはわずか3個の球根だったのに、4号鉢に3年ほど植えっぱなしていたら、ここまで「増えていました。
とはいえ、この中で花が咲くのは大きい3つぐらいでしょうか。小さい球根は緑の葉だけ伸ばして、花を咲かせずその年を終わります。でもそれはさらに次の年への準備。緑の葉っぱはちゃんと光合成の仕事をしているので、花が咲かない葉も大切に育てます。
不思議なんですが、このスノードロップ、2月4日頃の「立春」には、必ず花を咲かせているんです。今までは毎年そうでした。ほかの花は、気候によって花が咲く時期に早い遅いがあるのに、スノードロップは「カレンダー見てるのか?」っていうぐらい、ドンピシャ合わせてきます。
さて、土に植えるのが11月にずれ込んだ今年のスノードロップの花は、果たして立春に間に合うのか? ちょっとドキドキしつつ、でも「アイツならきっとやってくれるはず!」という期待もあって、楽しみに待っています。
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