トゲトゲの秋の実り。(栗)
先日訪れたヒガンバナの群生地・巾着田の近くでは、イガに包まれた栗(クリ)の実が、樹上で枝もたわわに実っていました。
巾着田ガイドマップにも載っている日高市のマスコットキャラクターは、「くりっかー&くりっぴー」。
日高市の鳥「カワセミ」をモチーフに、特産品の「栗」のかたちをした体、頭には曼珠沙華(ヒガンバナ)というデザインなんだそうです。
そう、栗は日高市の特産品! 歩く道々が栗畑なのにも納得です。(埼玉県の栗の生産量は、全国でも上から5〜6位。)
まだ青いイガは、小さく開いた口から栗の実がちょこっとのぞいているだけですが……。
だんだんイガの色が枯れた茶色になると同時に、口が大きく開いていって……。
イガが大きく開いたら、あとはイガごと落下するのを待つだけ。
地上にイガが落ちてきたら、収穫です!
子どもの頃に「栗拾い」に行ったことがあります。
そのときには、地面に落ちたイガを、靴で踏んづけて口を開いて、火バサミで1個1個、中の栗をつまみ出しては収穫していました。ぶきっちょな子どもはイガのトゲトゲに手を焼いていて、ひょいひょいと実を上手に出してくれる大人がカッコよく見えたものです。
調べてみたところでは、今もプロの方でも収穫方法に違いはないようです。原始的といえば原始的。だがそこがいい。
収穫の苦労を知れば、栗きんとんやモンブランの美味しさもいや増すというものです。
お土産用に販売していたイガ栗を買ってきました。一個200円也。
幅12cm、奥行き10cm、高さ6cmほどの立派なイガです。
子どもの頃の記憶そのままに、実を包むイガの頑丈なことといったら!
靴にできそうなぐらいゴワゴワと固くて丈夫な皮に、刺さると痛〜いトゲがびっしりと生えています。
よくよく見てみると、トゲは束になって皮から生えています。
あまりの丈夫さと鋭さに、これ何かに使えないかなと考えてみましたが、思いつきませんでした。
なぜそこまで……と思いたくなる鉄壁の防御。
これから、秋の味覚の栗を味わうたびに、一個一個収穫した人、皮をむいた人、美味しく調理した人……のことを考えて、深々とおじぎをしたくなりそうです。