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2016-03-21

これと思ったことをやりきればいい。(写真展「紅の赤」と「川口家」)

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横浜で知人が開催する写真展ふたつに行ってきました。

写真展ってなんなのか、何を目指せばいいのか。私はいまだにどうも迷いだらけなんですが、何かを表現しようと心に決めてかたちにしたものは、ちゃんと個性豊かに伝わるものだなあと改めて感じました。どちらの写真展も、それぞれに素敵でした!

 

池田智写真展「紅の赤」

 

池田智写真展「紅の赤」 2016.3.18 神奈川県横浜市中区

池田智写真展「紅の赤」 2016.3.18 神奈川県横浜市中区

2016年3月16日(水)〜3月22日(火)
於:横浜シルクセンター ギャラリースペース(神奈川県横浜市中区)

▼主催者からのメッセージ

曼珠沙華の赤にこだわった写真展。今回は写真と陶器のコラボレーション展示です。人間国宝の作品をはじめとして、6人の作家による陶器の競演。一回で何度もたのしむことができます。

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完成された空間

展示スペースは、一般の人が往来する艦内通路に面していますが、前に立つとちょっとドキッとするような、完成された世界観になっています。これだけある写真が、すべて深紅のヒガンバナの写真というのは、なかなか圧倒的です!

中央のテーブルには、6人の作家さんの陶芸作品が展示されていますが、これがまたよかった。土と植物から生まれた作品群として、不思議な統一感があります。

自分のペースで、じっくり1点ずつの写真を見てまわることができるのが、いいところです。館内共通で流しているBGMが、展示にとても合っていて、ふわっとしたいい空気を作ってくれていました。

 

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写真のタイトルが秀逸

写真のタイトルが、ちょっとこれ、秀逸でした! ご本人もブログで「かなりポエマー」って言ってますが、こういうセンス、私、大好きなのですよ。写真って、こうやって作品になるのか……って思います。

写真って、私の場合、自分が選んで撮ったものについて語りたい気持ちと黙して写真だけ見て感じてもらいたい気持ちが、ぐぐぐぐっと自分の中でせめぎあうものなのですが、このタイトルは、「そうきたか!」って感じのギリギリのラインをとっている感じです。

ちなみにこの写真とタイトルたちは、販売されている写真集を購入すると持ち帰ることができます。写真展ごとに「図録」を作るのっていいな! と思いました。

 

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見せたいものを見てもらう覚悟が潔い

今回の会期中、池田智さんは全期間中会場にいらっしゃって、いつ見にいってもお会いすることができるようにされていました。これって、覚悟のいることで、意志を感じられて、だからこそ潔いことだなあと思います。

文章でも写真でも絵でもなんでもそうだと思うんですが。目の前で作品を見てもらって、反応を見るのって、相当気合いが要りますよ! いい反応も悪い反応も、受け止めなくてはいけませんからね。

「自分の作品を見てもらうんだ」というスタンスを明らかにして、会場にいらっしゃる池田さんは、とてもかっこよかったです。

 

【参考リンク】
作品を掲げて顔を上げられますか?
写真の産地を表記する
題名も含めてSatosee!ワールドなんです!(キッパリ)

 

 

川口家写真展「川口家」

 

川口家写真展「川口家」 2016.3.18 神奈川県横浜市神奈川区

川口家写真展「川口家」 2016.3.18 神奈川県横浜市神奈川区

2016年3月8日(火)〜3月20日(日)
於:クアトロハーツカフェ(神奈川県横浜市神奈川区)

▼主催者からのメッセージ

写真を撮ることが好きな夫婦とその弟によるグループ展『川口家』
写真という共通の趣味を持つ私たちが、家族として初の写真展にチャレンジします。
カフェに来てくださった方が私たちの写真から”何か”を感じ取る―そんな写真展を目指します。

※会場はカフェとなりますので、ワンオーダーをお願い致します。

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川口家の裕樹さんと道子さん 2015.09.06 東京都文京区

写真でつながる関係性

こちらは家族3人によるグループ展。それでいて、昨年結婚したばかりの新婚夫妻+夫の弟、という3人が、いずれも写真好きだったという「家族」なので、新鮮なユニットデビューでもあるのです。

夫弟の川口秀樹さんが、会場カフェの常連客だった縁で、カフェの店主に写真展の話をして、今回の展示が実現したそうです。

 

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ゆるさがいい

企画のテーマは「時間」として、3人がそれぞれの作品を展示していますが、一見、あまり統一感はありません。

しかしその分、食事や会話を楽しむカフェという空間にはぴったり。店内の一部として少し離れたところから見ても、しっくりなじみます。

それでいて、目を近づけてよく見ると、思わずくすりとするようなおもしろみがあります。

 

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人が集まるカフェという空間での展示

カフェでの展示は、お客さんの混み具合によっては、1点1点をじっくり鑑賞するのには不向きな場合もあります。

でもその一方で、ドリンクやスイーツ、食事とともに写真を楽しめるのは、大きなメリットです。私と友人は、写真展を見たあと夕食を食べにいく予定でしたが、そのふたつが一度にここで済みました!(ワイン入りの「夜のナポリタン」おいしかったです)

今回、取材を受けて、タウンニュース神奈川区版に、「川口家」写真展の記事が掲載されました。取材がきっかけで、今後神奈川区をテーマにした次のアイデアも、実現しそうな勢いです。

人がつながる力で、人を巻きこみながら、企画が転がっていくというのもいいものだな、と思いました。

 

【参考リンク】
写真展示のお知らせ 『川口家』
楽しいことに人を巻き込む―写真展『川口家』をやって感じたこと
反町カフェで写真展 - タウンニュース(2016.3.17号)

 

ひとりでやりきるのも、人を巻き込むのも、どっちもいい

素敵な写真展2企画を楽しみ、いろいろ感じるものがありました。

覚悟を決めて、しっかり自分の世界を作り上げるのもいい。人を巻き込みながら、ゆるく広げていくのもいい。

大事なのは、「自分は今回こうする」と軸を持つことでしょうね。

また写真展示をやりたいと思いつつ、自分は人に何を見せていけるのかなと、ずっと考えています。

 

【こちらもあわせてご覧ください】
写真展示は、本当に大変だけど、とても楽しかった!(かさこ塾祭り)

 


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このブログを書いている人
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宮野真有(みやの・まゆ)

東京都練馬区在住。フリーランスのフォトライター。

「楽しんで」「長く続けられる」「自分らしさが発揮できる」文章を大切に、教える・聞く・書くなどの文章関連のサービスを個人向けに行っています。

またブログでは、「植物」×「写真」×「文章」の3つをキーワードに、ベランダガーデニングや公園散歩の楽しみを発信しています。

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