サルスベリがもりもり開花。(処暑)
サルスベリ(百日紅、猿滑)の花が、もりもりと勢いよく咲いています。
通りすがりに急に目につくと、「あれ、サルスベリってこんな時期に咲く花だったかな?」と思ったりもします。
観察していると、炎天下に咲く夏の花・サルスベリは、7月に入ったころから咲き始め、9月頭まで約2ヶ月に渡り長く咲きつづけます。開き始めてから散り果てるまで約2週間の桜の、約4倍と考えていいでしょうか。
2週間で咲ききる花は全力で咲きますが、2ヶ月間咲くサルスベリは、咲き方に緩急があります。まず、咲き始めにどばっと咲く。それからちょっと調子を整えて、着々と咲く。そうこうしているうちに、人も動物も熱中症で倒れる猛暑日が続くようになると、植物だってたまりません。エネルギーを使う開花は、ちょっとひと休みに入ります。この時期が一番地味ですね。花は咲き続けているけど、小さめの花がショボショボ咲いている。あまり人の目にも入りません。
そうして力を蓄えておいて、じっと耐えて、暑さが一段落したときが、再びの勝負どきです。今年初めて咲いたような勢いで、がんがん咲きます。もう夏はあと少しなのがわかっていますから、ここでエネルギーの出し惜しみはしない。咲いて咲いて咲きつくして、やがて空気がひんやりと秋の風に変わる頃、サルスベリは新たなつぼみをつけるのをやめ、花の季節を終了して「実り」の作業に取り掛かります。
おもしろいもので、人間の目って、ずーっと変化がない状態だと、「そこにある」って認識しないみたいなんですね。
だから、わっと咲いてわっと散る花は目立つ。
逆に、長い期間淡々と咲いている花は、そこに花があることにも気づかない、ということがありえます。
ライオンやトラなどの肉食獣や、カマキリなどの昆虫が、狩りの時に「動くものしか見ることができない」って聞くと、「なんて不便なんだ!」と思ったりします。でもどっこい人間も、結構動くものや変化のあるものしか見えていないものなんですね。
派手なヒマワリや南国の花ハイビスカスはまだしも、ツユクサ、アサガオ、ヒルガオ、オシロイバナにキョウチクトウ。近所でも夏に咲く花はこんなにいろいろあるのに、今イチ存在感は地味です。
そう考えると、どっと咲いて「おっ」と思わせるサルスベリは、人の目の引き方を心得ている。なかなか「女優だな!」と思います。
調べてみたところ、サルスベリは開花のために、「長日と高温」を必要とするようです。8月下旬を越えて、さらに日が短くなると、花芽の形成がストップし、花の季節は終わります。
8月23日は、二十四節気の「処暑」。「暑さが峠を越えて、収束に向かい始める」日とされています。
私の中では、サルスベリがわっと咲くと、そろそろ夏も終盤かな、という気分があります。
あなたの町のサルスベリは、いかがですか?
Plants Data
サルスベリ
和名 サルスベリ(百日紅、猿滑)
学名 Lagerstroemia indica L.
英名 Crape-myrtle
分類 フトモモ目ミソハギ科サルスベリ属
原産地 中国
耐寒性 普通
用土 鉢植えの場合、赤玉土6:腐葉土4
備考 小高木〜低木の落葉樹。樹高3〜10m。夏を代表する花木。花は集散花序。名前は、樹皮がはがれてすべすべになる幹肌から名付けられたが、実際には猿は苦もなく上るという。花色は、ピンク、赤、白、紫色などがある。
Calendar
1月〜3月 剪定
1月〜2月 肥料
3月〜4月 植えつけ、植え替え
7月〜9月 開花期
Information
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