マクワウリを食す。
「清瀬ひまわりフェスティバル」で売っていた「マクワウリ」を買ってきました。なんか珍しかったもので。
13cm×9cmぐらいの楕円体。ずっしりと重くて、水分多そうです。
売り場には「昔の黄色いウリ」と書いてありました。
70代後半の父は、「瓜といえば子どものころ、よう食うた」そうですが、それとはまた違うタイプ、らしい。
売り場で試食して、ほのかに甘いのを確かめた上で買いました。手前の小さいのを1個。
なんとなく、中の構造はメロンっぽいのかな? と想像しつつ、包丁でまっぷたつに。
やはりメロンっぽいです。
となると、やはりメロンのように盛ってみたくなります。
「いただきまーす」
あれ、ギザギザスプーンが刺さらないんですけど……?
果肉というか、身の部分が意外にしっかりと固かったので、作戦変更。
試食したものがそうであったように、分厚めに皮をむいて、一口大に切ってみました。
食す。
……うん。メロンよりは固めの歯ごたえがありつつも、ほの甘い。水分も多い。
お菓子のなかった時代には、いい夏のお菓子だったろうと思われる素朴な味です。
しかし父に感想を聞いてみても、特に懐かしそうな感じでもありません。
「別にそんな、うまいもんじゃあなかったんよ。好きでもなかったし」
……そうですか。
まあ別に、父のために買ったというよりは自分の好奇心のためだったので、そこはOK。
これより甘いフルーツはいくらでもあるけれど、この素朴な味もなかなかいいものです。スライスしてサラダに盛って、ドレッシングかけて野菜と一緒に食べるのもいいな、という味でした。
瓜といえば、連想するシーンがあります。戦国時代です。
美濃の斎藤道三の婿となる織田信長が、半裸で腰にひょうたんぶら下げるというかぶいた風体で、瓜を食いちらしながら行列を率いていくのを見て、「うわさ通りの尾張のうつけか」と道三があきれた……という、ドラマでも有名なシーン。果たして信長がそのときかじっていたのは、こんな瓜だったんでしょうか。……なんて考えてみたりして。
調べてみたところ、マクワウリ(真桑瓜)は、12世紀ごろから美濃国(今の岐阜県南部)真桑村でよく作られていたため、この名前がついたとか。縄文時代早期の遺跡から種子が見つかっているほどで、長くこの島国で食べられてきた作物のひとつです。私見ながら、織田信長がかじっていた可能性は十分にあると思いました。
味や見かけが似ているのも当然で、「メロンの一変種」というぐらい、メロンそのもの。メジャーな「プリンスメロン」の交配の親ともなっています。英名は「Oriental Melon」だそうで。
様々な品種があり、果皮の色も緑色系・白色系・黄色系とさまざまあるそうです。
珍しいものを食べました。
清瀬で買ったブルーベリーも、おいしかったです。
プリプリした新鮮さが次第に失われるので、買ってきたらできるだけ早く食すべし!